ヒーローになりたい!そんな特撮ソング
勇気、愛、そして夢、これらをエネルギーに変え、必死に戦い抜いた1970年代の孤独なヒーローたち。そう僕らが憧れたヒーローとは、決まってロンリーだった。戦隊が現れる前までは…。
このページでは、そんな彼らにスポットを当ててみました。
ベンベベンと琵琶の強烈なインパクトで始まるオープニングソング「地獄のズバット」。ただ主人公早川が弾くのはギターであり、琵琶を弾くことはない。
やっぱり20世紀少年のぼくらにとって「かいけつ」と言えば、ゾロリじゃなくてズバットだ。
ストーリーは、地球を守るとか人類を守るとかではなく、無二親友を殺した犯人を探すという熱い男の話。主人公早川健役:宮内洋のかっこよさだけが光る長編サスペンス的要素を持ち合わせた今までにないタイプ。視聴率はまあまあ良かったみたいだけど、歌以外にイマイチ脚光を浴びなかったのは、序盤の敵がほぼ着流しの人間相手で、途中からチープなかぶりものの敵が出てくるという安っぽさではないかと思う。
巨大ロボットバトルの先駆け的作品「大鉄人ワンセブン」の主題歌。水木一郎のアツい歌声とこうろぎ'73、チャープスのハーモニー、病み付きになるほど中毒性のあるピチカート、宙明ならではのオーケストラサウンド、どれをとっても素晴らしい。
歌もいいが、やはりワンセブンと言えばこのメカデザイン。シンプルながら、子どものころに想像して描くような筐体。それは少年期に抱いたロボットへの憧れそのものだ。今でこそ旧式感が強いデザインかもしれないけれど、変形やらコンピューターアイのハイテク感やら魅力的な部分が多かった。このワンセブンというヤツは。
この時代の特撮ソングを網羅したCD
東映スパイダーマンより主題歌「駆けろ!スパイダーマン」。イントロから当時流行のシンセドラム、マリンバとドラムのコンビネーションで興奮度MAX!。渡辺宙明氏の名曲中の名曲と評されるスパイダーマン、聴き所はたっぷり。そしてB面にはレコードお約束のドラマストーリー収録だったと思うんだけど、モンスターのディレイがかかった声、あれは子どものときすごく怖かったんだよなあ。第何話の話だったんだろ?。
【ED:誓いのバラード】
この曲も特撮ヒーローEDの中では、名曲中の名曲に位置する歌。口笛とうっすらと聞こえるマリンバ、サビから入るバイオリンがとても哀愁深く、山城拓也の悲壮さを子ども心に感じさせていた名曲だ。そしてこのEDソングの極めつけは、2コーラス後の間奏にある。子ども向けの特撮番組で、ここまで子どもに哀愁と運命(さだめ)を感じさせた曲はない。
一方、詞のほうはというと名作映画「誰がために鐘はなる」をヒントに書かれたものとのこと。名作が名作を生んだとも思われるようなこの歌詞。今でも一番好きな特撮EDテーマと言われれば間違いなくこの歌なんだけど、版権問題により再放送がやらないことで、この曲の良さを番組と共に伝えることが出来ないのがすごく残念でならない。
東映スパイダーマンとは
今でこそ映画「スパイダーマン」が上映され誰でも知っているヒーローだけど、当時は情報の少なかった時代でスパイダーマンがアメコミ系とは、子どもたちの間では全く知られていなかった。だから20世紀少年である僕たちにとっては、スパイダーマンといえばこの特撮ヒーロー「東映スパイダーマンッ」なんだよね。
まず左腕につけているスパイダーブレスレットから、スパイダーネットなどいろいろと繰り出します。しかし闘いのほとんどはスパイダーストリング。でも普通の細いロープ(下左図2)です。ちょっとかっこ悪いな。もちろん全てはガリアからもらったブレスレット頼りなので、右手からはスパイダーネットは出ないし、移動もほとんどが小走りかGP-7という車に乗って行う。
さらにこのスパイダーマン、口上にはかなり「こだわり」があって、毎回のように口上文句も変えるこだわりぶり。カメラ割りもどんどん派手なるし、お尻を突き出しているカットもあったりとすごい気合のいれようだった。
肝心の強さはというと、およそ人間の3倍が基本能力で、そんなにずば抜けて強いわけではない。そこで最強巨大ロボット「レオパルドン」登場。敵との戦いは、向かい合った瞬間ソードビッカーという大技で秒殺。まさに特撮史上最強無敵のロボなのだ。
オシリふりふり 壁のぼり ターザンみたいにビルわたる かっこいいなあスパイダーマン
宙明先生のリズムが冴えわたるブギーな1曲。アマゾネスの言うところ「たわけた歌」は売上枚数200万枚の大ヒット(作品中の話です)。
天使の歌声ランキング |
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1位:バトルフィーバーJ |
2位:ウルトラマンレオ |
3位:1たす2たすサンバルカン |
4位:特救指令ソルブレイン |
【子ども合唱団特撮版ランキング】
コロムビアゆりかご会も少年少女合唱団みずうみも音羽ゆりかご会も杉並児童もサイコー。エンジェルボイスは世界平和のためにあるんですね!。
【主題歌:ジャッカー電撃隊】
ボンゴ、ドラムと他の特撮ソングとは一風変わった曲調で始まるこの主題歌。最初の方は微妙な感じが若干するものの、いさおの「つっこめ×4、まヘィ!」後のBメロからがすごくいい。ヒーローの悲壮ささえも、かっこよく聞こえてしまうビートの利いたリズム、そしてその中にゆらりと流れるバイオリンの音、かっこよすぎる名曲だ。
【ED:いつかは花は咲くだろう】
じゃっくぁー電撃隊よりエンディングテーマソング「いつか花は咲くだろう」。なぜ「じゃっくぁー」なのか?それはいさお氏の歌唱方法にある。「どこぅカニっ へいわぁぐぁ~ あるならぁあっぶぁ~っ」や「いよっつのぉ」と、なぜかこの歌では思いっきり特徴のある歌い方なのだ。
十数年ぶりに聴いた時には、この歌ちょっと恥ずかしいなって感じがしたけど、聞いているうちにやっぱりいい歌なんだなと思えてくる。そのわけは渡辺宙明ソング他ならず、OP同様にかっこよすぎるベースとドラム、そしてサビから入るバイオリンが最高だからなんだろう。
バトルフィーバーOPの特徴は、コロムビアゆりかご会のコーラスだけでなく、アダルティなフィーリングフリーのコーラスも入っているところにある。メインボーカルMOJOさんの歌声と2つのコーラスグループが、この記念すべきヒーローを豪華に盛り上げる構成となっていて、そのなかでもコロムビアゆりかご会による子どもたちの純粋な歌声は、この曲の一番の聴きどころ。それにしても、打楽器系と「オー」がかっこいい!。
【ED:勇者が行く】
一変してヒーローとして背負ってしまった宿命と悲壮さをうたった歌。曲調は、若干演歌系歌謡曲のような雰囲気漂う作りで、泣きのギターに加えストリングスを贅沢に使い、聞けば聞くほどこの曲の良さ(魅力)に気付くと思う。
そして山川節とも言える「共闘」の教えが炸裂する。「オレも お前も お前も オレも 花咲く未来を賭けて さあ鋼鉄のスクラムだ」。もちろんメンバーの団結のことを歌っているわけだけど、テレビの前の子どもたちも一緒に戦おうと呼びかけるような山川節は、今作からヒーローの進むべき道を変えたといっても過言ではないほどだ。
バトルフィーバーJとは
闘将ダイモスが終わり、次回作の番宣が流れた瞬間、子どもたちのハートを掴んだといっても過言ではない戦隊。渡辺宙明氏の楽曲に大平透氏のナレーション、インパクトある映像カット、ちょうどこの頃、特撮に飢えていたぼくらにとって、とても衝撃的な出来事でした。
またこのバトルフィーバーJは、スーパー戦隊シリーズの中で、初めてロボットに乗って敵と戦った記念すべき戦隊。その姿は日本の戦国武将をモチーフとした出で立ちでかなりカッコイイ。それにバトルフランスとか言いながらフラメンコやったりと結構B級的な雰囲気のある戦隊なのだ。
仮面ライダーシリーズ6作目にあたるスカイライダー。レッツゴー!
この頃は仮面ライダーやウルトラマン(アニメ:ザ・ウルトラマン)、戦隊ものと、言わば黄金期復活かと思わせるほど豪華なラインナップで、幼少期のテレビはホント充実してたなあとしみじみ思う時代。だから製作側の頑張りや夢を感じられる作品でもあったと思う。
本編では、主人公筑波ヒロシの特訓のために7人のライダーが集結した回があって、それにはやっぱり予告から興奮したもんですよ。歴代のヒーローだったライダーたちが、たくさん出てくるっていうんですから。
でも特訓といっても、見るからに相撲で言うところの「かわいがり」状態だったんだけどね。
ナニが正義でナニが悪かが判然としない社会で「正義が必ず悪に勝つ」
という単純で当然だが、大切な構図を子ども時代に キチンと意識の中に 留めていただけさえすれば、それはそれで十分意味のあることだと思う